「経営コンサルタントには倒産はない。これは、士(さむらい)業に共通していること
だが、もう続けたくない、とかもう駄目だと思ったら、辞めれば良いだけだ。」

とお話しいただいたことがありました。その方(かた)は、私が開業するに当たって、少しでも気苦労を払ってやろうと、親心で仰ってくださったのです。

しかし、そのときの私は、安心したというより「それで良いのだろうか？」と疑問が
膨れ上がり、却って不安に感じたことを今もハッキリと覚えています。

「そんな危機感のない机上空論の経営コンサルタントは、こっちから願い下げだ！」

と、社長様からお叱りの言葉が聞こえてくることを痛感したからです。
そして、同じ土俵で社長様と同じ苦労を知る経営コンサルタントにならないと、親身
になって社長様のことを思いやれないのではないか、と法人事務所（有）池田経営に改設したわけです。

私の尊敬する立派な諸先生方は、個人事務所の方(かた)も多くいらっしゃいます。

要は、「形ではなく、中身」なのですが、「中身がなければ、まず形から」ということで、私は法人の経営コンサルタントという形を採らせていただきました。

これは、先ほどの「経営コンサルタントには倒産はない。･･･もう駄目だと思ったら、辞めれば良いだけだ。」といった甘い感情にあるときには、おそらく感じなかったことでしょう。
しかし、反面これほどやりがいのある職務も他にないとも思います。

社長が自分の会社を、自分と、社員にとっての理想郷に作り上げる気持ちがあれば、社長業の厳しさ、辛さ、孤独感は、全てその理想郷を作り出すための産みの苦しみに他(ほか)ならないからです。
それは十分絶えるに値するもの、だからです。

理論どおりには行かない実践経営の場で、まさに泥まみれ、油まみれになって顧客企業の社長様や従業員と共に考え、共に汗するというこの仕事は、誠にやりがいのある仕事です。

しかもそれら顧客企業の社長の皆様方は、私に対して莫大な価値のある教育と感化を与えてくださったのです。今日の経営コンサルタント池田があるのは、ひとえに、この社長の皆様方のおかげです。

私は、これからも同じ中小企業の社長、同じ苦労を知る経営コンサルタントとして、誠心誠意皆様方の会社のコンサルテーションに努めてまいる所存です。

「経営理論をとやかく言う前に、まず顧客企業の社長様の心情を理解せよ」

この言葉を、過去も現在もそして将来も、池田経営の理念に据え営んで参る所存です。
昨今の厳しい経営環境下にありまして、何卒ご自愛専一に願いあげます。

ありがとうございました。